スパイダーマン

いや、やっと観られたっす、DVDで。買っちゃったし。
スパイダーマンね、思い入れあるんだよね、MAX的には。
中学生の頃、つまり25年程前だな、創刊されて間もない「POPEYE」に毎号アメコミのコーナーがあって。そこで、DCやマーベルのコミックを紹介してて。で、はまったね、アメコミに。神保町に買いにいったし。そのうち月刊スーパーマンや光文社のマーベルコミックシリーズが出てね。全部買いましたよ。グエンが死んだりしてね、その頃。でも、スパイダーマンというと、やはり少年マガジンに連載された池上遼一+平井和正バージョンも忘れがたい。はじめてのスパイダーマン体験はこちらだった。テレフューチャー作品が劇場公開されたときも、もちろん観に行った(余談だが、併映は「溶解人間」だった)。
で、この映画である。なんというか、じつにコミックスに忠実に作られている。サム・ライミ監督は自らがスパイディの大ファンということだが、いかにもファンらしく、オリジナルの雰囲気などを壊さず見事に無難に映画化しているよね。ま、でも、”ダーク・マン的テイスト”は健在だが。
と言っても、いくつか今風にアレンジもされてる。噛みつくのは放射能蜘蛛じゃなくて、遺伝子組み替え蜘蛛だし。ウェブシューターはピーターの発明品じゃなくて、直接体から出ちゃうとか(そりゃそうだな、あの発明で特許とったほうが、ピーター幸せになれるもん)。指から繊毛も生えてるし(手袋してても有効なのだろうか?)。と、グリーン・ゴブリンのデザインは全く違うのね。スパイダーマンのスーツのアレンジは、非常に成功している。デザインはそのままだし。
で、特筆すべきはなんといってもピーター・パーカー役のトビー・マグワイアですな。冒頭のメガネをかけたピーターは、ビル・ゲイツそっくりのナーズ顔。この貧弱な坊やが大きな力を手に入れて、その運命に弄ばれるさまを、うまく演じてるわ。コミックスの最初のストーリーにも出てくる「大いなる力には大いなる責任が伴う」という言葉に象徴される悲しみと悩みのヒーローを好演している。今でこそ、バットマンもスーパーマンも悩むけど、あの頃は悩める10代のヒーローなんて他にいなかったんだもんね。
さて、ストーリーを盛り上げるVFXがまた凄いねぇ。過去にも数度映像化されてはいるが、摩天楼を翔けるスパイディの絵をここまでコミックスに忠実に見せてはくれなかったもんね。今でなきゃ出来ない映像である、確かに。
2時間の映画では、さすがに誕生編というところまでしか描けない。もちろん、続編の制作も決まっている。シリーズ化が楽しみな作品である。

「Spider-Man」 02 米 監督:サム・ライミ CAST:トビー・マグワイヤ、ウィレム・デフォー、キルスティン・ダンスト、ジェームズ・フランコ 他