マン・オブ・スティール

ついにスーパーヒーローの真打ちがスクリーンに復活。映画版のスーパーマンといえばやはりクリストファー・リーブの4作が決定版というイメージだったのだけれど、製作のクリストファー・ノーランは、そのイメージを全く塗り替え、ダークナイト同様に新たなキャラクターを作り上げた。個人的には、「スーパーマン・リターンズ」が嫌いで、先の4部作のイメージをああいう発展のさせ方するのはいやだったわけだが。

このマン・オブ・スティールですべてが新たにリセットされた。これまでのスーパーマンにない、深く人の内面を描く演出には、心動かされたね。クラークの悩み、葛藤、そして希望を追い求めるその心。ああ、これがスーパーヒーローなのだと。これが王道なのだと。敢えて、ポップやユーモア演出を極力排し、まさにマン・オブ・スティールが誕生した。
共演陣がいい。ケヴィン・コスナーには泣かされるよね。カル・エルではなくクラーク・ケントとしてのアイデンティティは、ケント夫妻によってもたらされたものだから。また、ゾッド将軍のマイケル・シャノンもクリプトンの種族を護るが為の行動、それがカル・エルと対立し運な最期を遂げるわけで、どちらにとっても残念な結果。完全無欠な勝利などその戦いにはなく、それが現実的であり観る者に重くのしかかってくるんじゃないかな。
さて、この物語は始まったばかり。デイリープラネットに初出勤するクラークでラスト。これからのシリーズが楽しみ。次は早くもマン・オブ・スティールとダークナイトの共演。待ち遠しい。