ターミネーター3

「ターミネーター3」
いやー、これこれ。つう感じですよ。アナログアクションって。
「MATRIX」以降ハリウッド映画のアクションは、ワイヤーを多用したスタイリッシュなものになっちゃってんだよね。いや、これはこれでいいんだけど、さすがに食傷気味だったりする。ところが、さすがは我らがシュワルツェネッガー、そういう流行とかを無視してこういうの見せてくれるんだよねー。
とにかく、あのクレーン車で町じゅうを破壊して進むカーチェイスがもう、すごいわ。あんまりすごくてスクリーン見ながら笑ってしまったわ。いやいや、ここまで馬鹿馬鹿しい破壊行為ってすごいじゃないの。
それとターミネーター同士の戦いもちっともスタイリッシュじゃない。力と力がぶつかり合ってるっていう、その荒削りなイメージをうまく表現してるよね。シュワルツェネッガーのインタビューを読むと、格闘シーンでは敢えてマーシャルアーツらしさを出さないように心がけたという。これが俺たちのアクションなんだって、熱い気持ちが出てますなー。
ストーリー的にはちょいと物足りないとこもある。まぁ、ジョンがダメダメになってたり、まぁネタばれになっちゃうけど、“The Judgement Day”が防げなくて、それじゃ「2」での戦いは無駄だったのかよ、とか、白血病で死んだサラが報われんぞ、とかね。でも、よくよく考えてみるに、「2」で“The Judgement Day”を防いでいたら、その場でジョンは消えてるわけで。でないと未来でカイルを過去に送り出せないし、サラとの間にジョンをもうけることもできないもんね。
シュワルツェネッガーは、お年の割りにはまだまだ元気。とはいえ、1作目の「ターミネーター」からするとふけましたな。年を取るアンドロイド。STTNGのデータじゃないんだから。ま、今回はT-850でマイナーバージョンアップしてるけど。しかし、セリフ少ないねー(笑)。新型ターミネーターT-X役のクリスタナ・ローケンはクールビューティでいい感じ。どことなく猫をを思わせるその無表情しぐさがセクシーである。猫もナニ考えてるかわからないからね。ジョン役のニック・スタールはいかにもダメダメ人間です。本来ならオリジナルキャストのエドワード・ファーロングが演じる予定だったらしいが、アル中になってるって。実生活でもダメ人間ではなんとも…。
ラスト、核シェルターのジョンとケイト。“The Judgement Day”を防げなかったその無力さに絶望を感じながらも生き残った人間たちの通信に応答する。そのジョンは、もはや未来の幻覚に怯えていたジョンではない。あらかじめ運命として定められていたリーダーとしてのジョンである。ここにこの戦いの希望の灯を見出すことができるのだ。

「TERMINATOR 3 RISE OF THE MACHINES」 03 米 監督:ジョナサン・モストウ CAST:アーノルド・シュワルツェネッガー、ニック・スタール、クレア・デーンズ、クリスタナ・ローケン 他