劇場版 仮面ライダー龍騎 EPISODE FINAL

TV最終回の前日に、なんとか観ることができました。
なるほど、これはこういうことになってたのね…。大まかなストーリーは似ているが、微妙な部分でTVシリーズ、そしてTVスペシャルとの相違点がある。これはもう、スタッフが確信犯的にやっていることでしょう。
TVとは決定的に異なるのは映画だけのキャラクターであるファムとリュウガ。どちらも真司に深く関わってくる重要なキャラクターである。ファム/霧島美穂はできればもう少しじっくりとそのキャラを描いて欲しいところだった。非常に魅力的な役どころだったのだが、尺の関係であろう、残念なところである。主役である真司には、恋愛対象となる女性が劇中で出てこなかっただけに、このあたりが惜しい。もちろん、ロビーナ萌えのMAX的にも、夏希嬢をもっと!と心の叫びもあったりして(笑)。
リュウガは裏龍騎というか、ミラー真司という設定でなかなかおもしろいところ。まぁ、唐突な感じはするけれどね。それに、真司以外には、ミラー体はいないのかとか。疑問はあるけれど。リュウガがいたからこそ、王蛇、ファムを消せたわけで、ややご都合主義的かも。とはいえ、見た目はかなりカッコよいぞ、リュウガは。
北岡は、ライダーであることを放棄して脱落である。本当はライダーを辞めると、契約モンスターに食い殺されるはずなのだが。ギガマグナの場合は射殺なのか。もちろん、残り少ない命を自覚しての放棄であるゆえ、その後永くは生きることは出来なかったであろうコトが推測される。
優衣は自ら命を絶つのだが、手首を切るという直接的な表現にちょっと驚く。ああやって、自分の命を立ち、兄の愚行を止めようとする、その様は観ていて悲しい。
残ってしまった二人、蓮と真司。神崎士郎の約束がまだ有効なのかどうか。ふたりが戦いを続け、その結果何が起こるのか。それはこの映画では語られない。あまつさえ、モンスターの群れに立ち向かっていく二人の姿で、この映画は終わってしまう。圧倒的不利な中、敢えて人々を助けるためにリアルワールドで戦いに挑む。これと「ガメラ3 邪神<イリス>覚醒」のラストとの類似を語るのは簡単なことである。しかし、深い友情で結ばれていながら、互いに相手を倒すという宿命にある真司と蓮が不利な戦いに挑んでいくラストは、その後の一筋の希望をも暗示させる。真司なら何とかするのではないか。彼のあのポジティブな姿勢なら、そしてミラー真司との戦いにも勝った彼なら。なんとかなるのではないだろうか…。
全体的に残念なのは、やはり端折っているという印象。ディレクターズカット版のリリースを期待。

「劇場版 仮面ライダー龍騎 EPISODE FINAL」 02 東映 監督:田崎竜太 原作:石ノ森章太郎 脚本:井上敏樹 出演:須賀貴匡、松田悟志、杉山彩乃、加藤夏希、涼平、津田寛治、久遠さやか 他