仮面ライダー555 「第44話」

あぁ、結花ちゃん。不憫…。
結花を後ろから抱きしめる啓太郎。結花は、啓太郎の胸に顔をうずめる。むう、なんとも甘酢っぱい。やっと、二人の気持ちをちゃんと確かめることができたんですねェ。
巧とともに戦っていた勇治は、戦闘中の心境の変化を巧に話す。人間に対しての不信感が募ってしまったのだと。そりゃ、武装警官に一斉射撃を受けたり、結花が実験台にされたりしたからねぇ。むしろ彼にとっては、スマート・ブレインの村上社長の言葉のほうが受け入れやすいのかもしれない。そんな勇治に異を唱える巧。しかし、勇治の態度は硬く…。
一方、完全ラブラブモードの啓太郎と結花。まわりで見ているほうが恥ずかしくなるくらい。そりゃ、真理も階段でつまずくってものである。デートの約束もしたしね。
結花は明るくなった。啓太郎の気持ちを受け入れることで。そして、勇治もまた変わっていく。人間を信じることに疑問を持ち始めた勇治。そんな中、直也だけがあせっている。何を自分はすべきなのか?
巧は沢村と会った後、ひとりで南に会いに行く。その真意を知るために。南は人間とオルフェノクの平和的共存を望んでいるのだと、そのために、また勇治や結花たちと話し合いたいのだと、言う。いやいや、こいつの言葉は信じちゃいけないでしょう。けど、巧も勇治の態度が気になっている折、その南の言葉を伝えるのだな、彼らに。「あんたには代わって欲しくないんだ」。
まー、そこにまたも武装警官の襲撃ですわ。プラス、スマート・ブレインからレンタル中のバットオルフェノクも加わって。で、苦戦する3人。結花は腕を傷つけられて一人戦いから離散。何とか、敵の手から逃れる。と、思いきやそこにやってきたのは冴子。前の戦いで、辛酸を舐めさせられたからねぇ。今度は容赦しないよと。結花はクレインオルフェノクに変化することができない。例の見ないの実験の所為なのだろうか。
その頃、雅人カイザと三原デルタは、“流星塾の仇”、ドラゴンオルフェノクと戦っていた。ところが、やはりドラゴンオルフェノクは強い強い。さすがの二人も大苦戦である。
直也は例の創才児童園から照夫を連れ出す。またいじめられている照夫を見て不憫になったのだろうか。手をつないで歩く二人、その照夫の影が大きく伸びる。ううむ、これも大きな伏線だったようだ。照夫の影…これはオルフェノクの…??
デートの待ち合わせ場所でひたすら待つ啓太郎。その頃、結花は力なく丘の上の大木に力なくもたれ、座っていた。啓太郎にメールを打つ結花。「ごめんなさい、啓太郎さん。私、今日、行けそうもありません…私、幸せでした、啓太郎さんに出会えて。どうか啓太郎さんの夢が叶いますように。世界中のみんなが幸せになりますように…」。
そのメールは送信されることなく。
灰と無数の羽が丘を舞い。
携帯電話だけがそこに残り。
結花は逝ってしまった。
多くの人を手にかけたその罪は、簡単には償うことはできなかったようだ。しかし、啓太郎と出会え、互いに気持ちを交し合えたこと。生まれてからずっと不幸なことばかりが身に起こってきた彼女にとって、それは何ものにも変えがたい出来事であったはずだ。おそらく、結花は、思いを残すことなく逝ったはず。
オルフェノクにも天国はあるのだろうか。