怪奇大作戦セカンドファイル 「昭和幻燈小路」
本来ならば、実相寺昭雄氏が監督していたはずのエピソード。
怪奇大作戦版「ALWAYS三丁目の夕日」というか。昭和30年代~40年代ノスタルジックを前面に押し出した演出である。この時代はMAXにとっては、少年時代の思い出。まさにオリジナルの「怪奇大作戦」がオンエアされていた時代である。
この時代への回帰を強く願う者がいたとしたら。その思いは尋常なものではなく、命尽きんとする最後の時に、思い出が現実とすり替わるくらいの強い思いであるとしたら。その思いは周りをも巻き込み、157人もの人が別次元へと姿を消した。SRIの牧、三沢、野村ともども。
かつて亡くした愛娘への強い思いは、現実を非現実へと変えてしまうのか。いや、これは異常な脳波によって引き起こされた電磁波が、時空を歪めたのだと。SRIといての公式な見解はそういうことだろう。
だが、牧はそれでは割り切れぬ思いを持っているはず。その異空間の中で遭遇した父親との思い出。チンチン電車の鐘の音。これは電磁波の影響で説明がつくのか。
老人の、その思い。胸が苦しくなる哀しみである。
今回も骨太で見応えのあるドラマ。清水紘治氏が演じる老人が、本当に悲しい。堀内正美氏、実相寺昭雄夫人の原知佐子氏の客演も見逃せないところだ。
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