プロメテウス

リドリー・スコットの新作は、あの「エイリアン」の前日談と聞き非常に楽しみにしていたわけですが、この「プロメテウス」、実際に鑑賞して色々と予想を裏切られましたなぁ。
ちょっとネタバレも多いので、残りは続きに書きます。


エイリアンと言えば、SFスリラーの、もう古典と言ってもいい傑作だけど、そういう展開ではなく。また、事前の宣伝されていた、人類の起源の謎も、概ね冒頭シーンで明らかになっちゃうし。まぁ、とはいえ、人類起源の謎は、ちゃんとは解けないんですけどねー。
そもそも、エンジニアが何をしたかったのかがよくわからない。地球に自分達のDNAを受け継ぐ人類という種を発生させ、いくつかの文明に衛星LV-233の位置を示す手がかりを残した。で、人類がやっとLV-233に付いたときには、エンジニアの多くは、恐らく自らが開発した生物兵器「エイリアン」によって死滅。しかし、大きなエンジニアの頭部像のあるアンプルの部屋の意味はわからない。また、なぜ彼らがこの後地球に行こうとしていたのかもわからない。さらには、唯一生き残ったエンジニアが、ウェイランド達を殺してまで地球に行きたかったのかもわからない、地球に自分達の手がかりを残しながら…。
とまぁ、よくわからないところがいいのかもね。全ての謎を明かさないところが。エンジニアは人類の思考とは違うレベルの考え方なのかもしれないし。自分で作った箱庭を壊して、もう一度作り直したいのかも。
わかったことは、「エイリアン」は最初はイカ型生物だったってことか。これがエンジニアに寄生して、あの姿に”進化”したと。
さて、それにしても「エイリアン」と繋がらないなぁと思っていたら、ノストロモ号が行ったのは衛星LV-426で、ちがうところだったと。つまりエンジニアのあの宇宙船は複数の惑星にああいう形で朽ちているんですな。恐ろしい生物兵器と共に。
重苦しい雰囲気で様々な謎をちりばめながら最後まで引っ張っていかれて、楽しい2時間でした。

「プロメテウス」(原題:Prometheus) 12米 監督:リドリー・スコット CAST:ノオミ・ラパス、マイケル・ファスベンダー、ガイ・ピアース、シャーリーズ・セロン、イドリス・エルバ、ローガン・マーシャル=グリーン他