パシフィック・リム

前評判通りの、素晴らしいエンターテイメント。日本の怪獣特撮映画やロボットアニメへのオマージュではない、とデル・トロ監督は言っているようだが、その影響はいうまでもなく。本当にこの人は、日本の特撮が好きなんだなぁと思える映画だった。
まず、KAIJUという呼称。モンスターでもクリエーチャーでもなく、KAIJU。そのストレートさがうれしくなっちゃう。また、このKAIJUは咆哮するときに、ちゃんとタメるんだよな。これはまさに怪獣です。うれしくなります。イェーガーも武器を繰り出す時には、その名前をパイロットが叫ぶんだよね。これってロボットアニメではお決まりとはいえ、実写映画なんかではなかなかやりませんよ。
とにかく、我々が子供のころから好きだった、特撮やアニメの美味しいところをすべてぶち込んで作り上げましたって感じ。ストーリーもなるほど、だよね。挫折する主人公が立ち直っていく。ライバルがいる。ラブストーリーもある。ごつい上司がいる。で、上司とライバルが犠牲になって、主人公に最後の攻撃を託す、みたいな。また、ちゃんとコメディ要素も、あの2博士で入れてるんだけど、この人たちに働きがあってこそ、ラストの勝利につながるわけで。よくできてます。
特撮・アニメだけじゃなくて、クトゥルー神話の要素なんかも、怪獣がやってくる異次元の世界にはあったりして。そりゃデル・トロ監督は、「狂気の山にて」を映画化しようとしてたんだからなー。パシフィック・リムの続編もいいけど、「狂気の山にて」も観たいねぇ。
そんなわけで、ホント楽しい映画です。
あ、それと芦田愛菜ちゃん、スゴイ。いいです。

— 

「パシフィック・リム」(原題:Pacific Rim) 13米 監督:ギレルモ・デル・トロ 出演者チャーリー・ハナム、菊地凛子、イドリス・エルバ、チャーリー・デイ、ロバート・カジンスキー、マックス・マルティーニ、ロン・パールマン、芦田愛菜