父との思い出は、キャッチボール。
使い古しのグローブをどこからかもらってきた父と、
ボールを投げあった。
父の投げるボールは、キャッチするとジーンと手がしびれたものだ。
釣りにも行った。
相模湾といえばキス。
浜から投げてヒットすれば、クーラーいっぱいにキスが釣れた。
そんな日の晩御飯は、キスフライのご馳走だった。
何年か前から始めたパソコンは、
意外とはまり、自分でexcelなどを使って
医療費などの集計・管理をしていたらしい。
もちろん、年賀状もパソコンで作って出していた。
自分のメカやパソコンが好きだという嗜好は、
どうやら父親譲りらしい。


そんな父が、昨晩息を引き取った。
一ヶ月ほどの闘病の後。
静かに眠るがごとき最後だったらしい。
容態急変の知らせを受けて、すぐに会社を飛び出たが
汐留から伊勢原はあまりにも遠く。
電車の中で弟からのメールを受け取った。
「親父、力つきた」という文字を読んで、手が震えた。
享年73歳。
まだまだ若い。
これから一緒にやることはたくさんあったのに。
とにかく今はお疲れ様と言おう。
少しだけ、そこで待っていてくれ。
俺もいつかはそこに行くことになるだろう、多分。
それまでは、さようなら。

ツレヅレ

Posted by MAX