ブレードランナー 2049のMAX048のネタバレレビュー・ 内容・結末 | Filmarks
大学時代に観て衝撃を受けたブレードランナーの続編が30余年を経て制作されるとは…。前作は人間とレプリカントの関係にフォーカスを当てながら、人間たるものとは何かを問いかけるものだったと解釈している。
この2049でもその視点は変わっていない。監督はヴィルヌーヴに代わったが、リドリーの意向はきちんと受け継がれ、さらに昇華させたとも言えよう。
<以下ネタバレ有り>
とにかく「K」が哀しい。レプリカントであることを受け入れながらも、その出自を探ることになったことから、規範を外れていく。それは悪いことではなく、本当の人間らしさ、アイデンティティを得るための行動だと言えよう。
人によって人そっくりに作られたレプリカントは、人間たるべく生きるために反乱を起こす。かつて神は人を自分に似せて作ったというが、人間は神の領域に踏み込むことで、神に反乱を起こしているのではないか。
そして、デッカードもいまだその呪縛から逃れることは出来ず。レイチェルとの関係も実は仕組まれていたのではないかという、恐ろしい囁きをウォレスからもたらされる。レプリカントが自ら繁殖できるように、すべては仕掛けられていた。では、デッカードはやはりレプリカントなのか。その答えはあやふやなままで明らかにはされない。
デッカードはレイチェルとの娘であるアナと邂逅し、それを見届けた「K」は雪の降りしきる中独り絶命する。雨の中独りで息絶えたロイを思い出さないわけにはいかない。どちらも人間としてのアイデンティティを得るために、その命を賭したのだ。
非常に重たいテーマではあるが、謎解き的な展開もあり160分という長さを感じさせることはない。またビジュアルエフェクツも素晴らしい。極力CGを使わずにミニチュアワークを重視したと言うことだが、その空気感が、重厚な劇伴と相まって画面に表現されている。
情報量が多いので何度か観直したいが、初見でこれは傑作と言えるだろう。
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