2004年01月18日

仮面ライダー555 「最終話」

そしてオルフェノクと人間をめぐる物語はここで幕を閉じる。その戦いの中で命を落とした者、生き残った者、そして残り少ない生を生きて行く者。彼らが暮らす小さな星の話をしよう。

戦いの場から逃げる巧。だが、その先には木場が先回りしていた。気を失った巧を、木場はスマートブレイン社の病院に連れて行く。オルフェノク絶滅の謎を探るモルモットとして利用するために。裏切り者のオルフェノクに対する仕打ちとしては、当たり前のものだと。木場よ、そこまで変わってしまったのか。すでに草加の首を折っているからな。人間の心はもう持っていないと。
その巧を救おうとするのは真理、啓太郎、直也。スマートブレインに潜入して、細胞の崩壊を速める薬を注射され弱っている巧を見事に救い出す。だが、その逃走を阻む者が。またしても木場である。
スマートブレインタワー建築予定地の地下にある広い施設。そこに照夫は囚われていた。オルフェノクの王として覚醒するまで、彼はもう身動きすら出来ない。人間としてではなく、オルフェノクの王が覚醒するための器としてしか、その存在を認められていない。幼い者に対するこの仕打ちもまた、木場によるもの。その覚醒を止めんと三原がやってくる。が、そこには冴子と琢磨が控えていた。
デルタのロブスター、センチピードとの戦いを助けんと、真理、啓太郎、直也は行く。巧と木場をそこに残して。そして、このふたりの最後の戦いが始まる。
その戦いは激しく。相容れない考えを持つ者同士の戦いであるが故に。決して相手が憎いのではない。かつては友とも呼べるような仲であった筈。しかしいつのまにか、その心はすれ違い。悲しい戦いである。
木場はどうしてこうなってしまったのか。それまでは、人間として生きて行くことを強く思っていたはず。しかし、南のような人間を見ることで、彼は変わってしまった。結花の死も大きな要因となっているのだろう。
ファイズ対カイザ、ウルフオルフェノク対ホースオルフェノクの戦い。そしてファイズブラスターモード対ホースオルフェノク激情態。ブラスターモードがホースを撃つ。地に倒れる木場。しかし、巧は止めを刺さない。「俺は人間を守る。そして、お前も人間だ」。そして巧は去って行く。残された木場の心中やいかに…。
オルフェノクの王は覚醒した。照夫は消えた。その力は強大である。さすがに王。その姿は、本来彼を守るはずであったファイズ、カイザ、デルタに酷似している。オルフェノクの王を模して、ファイズ、カイザ、デルタは開発されたのだ。圧倒的な力に、ファイズは変身を解かれてしまう。
その力を進んで求めんとしたのは冴子。自ら王に抱かれ、力を分け与えられる。人間のシルエットが消えて、もはや冴子はいなくなった。完全なるオルフェノクの誕生である。それを見て逃げ出すのはセンチピード。彼は人間としての己を捨てることが出来なかったのか。オルフェノクでありながら、人間的な部分を大いに残していたのが琢磨であったのだ。
デルタも変身を解かれ、最大の危機に陥ったとき、木場がやってくる。「まだ俺には分からない、何が正しいのか。その答えを君が俺に教えてくれ!」木場もまた彷徨する若者である。人間に失望してオルフェノクとして生きるために、草加までも手にかけた男。だが、巧の言葉が彼の心をまた動かした。
オートバジンがファイズブラスターを持ってやってくる。それを巧に投げ渡す。が、その直後にオルフェノクの王の放った光球がバジンを粉々に破壊する。哀れ也、オートバジン。最後まで巧に忠実なロボットであった。
そして、ブラスターモード、カイザ、デルタがオルフェノクの王、アーチオルフェノクと対峙する。瀕死の木場、ホースオルフェノクは、王をはがい締めにし、そこにブラスターモードは最後の一撃をくわえる。かくして、最後の戦いは終わった。
それぞれの人たちがそれぞれなりの平穏を取り戻した。直也はオルフェノクの力とはなんだったかを思い、琢磨は敢えて人間として残された日々を過ごそうとする。ロブスターオルフェノクはオルフェノクの王の復活を信じ、地下に潜る。
そして。
巧は、真理、啓太郎に告げる。自分の夢が見つかったと。掌を見つめる巧。そして「…世界中の洗濯物が真っ白になるみたいに、みんなが幸せになりますように…」。眼を閉じる巧。
見つめた掌は、はっきりと見えていなかったのではないだろうか。巧もまたオルフェノクであり、滅びる運命。さらには、細胞崩壊を促進する薬を射たれている。掌を見て、彼はその運命がほんのすぐ後に尽きることを悟ったのではないか。そして眼を閉じた巧は、その後目覚めることはないのではないか。
ラストのこのシーンは様々な解釈が出来ると思う。

最終回、なんとか話をまとめることは出来たが、全体的には物足りない印象。淡々と終わったという感じか。ただ、最後のシーンの巧については前述したように、解釈の仕方が色々とあるかなと。その前の啓太郎の、「変な夢見たような気がする」という台詞も気になる。これで、おなじ井上脚本の「超光戦士シャンゼリオン」の最終回を思い出した人も少なくはないだろう。
これは青春群像劇であり、彷徨する彼らを描いた作品としては、良い終わり方だったとは思う。1年間充分に楽しませてもらった。
スタッフ、キャストの皆さんご苦労様でした。

投稿者 MAX : 2004年01月18日 08:00 | トラックバック
コメント

最終回、なんか大雑把な感じがしました。色々詰め込まれていて、退屈はしなかったんですけど、やっぱりあと1話ぐらいほしかった気がします。
「クウガ」が49話で終わった分、「アギト」が51話あったみたいに、
「ブレイド」の1話を「555」に使う、とかしてほしかったです。

海堂はよかった。木場への「馬鹿ヤロー!」や、
王が覚醒し照夫の体が砕けてしまったシーンで、海堂だけ目を瞑ってしまったところ。
照夫の扱いはあまりにもかわいそう過ぎましたが。

木場って、結局ものすごい不安定な奴でしたよね。すぐに騙されたり、周りに左右されやすくて。
一番頻繁に「人間の心」を語っていた彼でしたが、一番「キレやすかった」のも彼でした。

オルフェノクに関しては、「オルフェノクになった人間は心が腐って”人間じゃなくなる”」と、物語の中で何度も語られていましたが、
人間の”凶気”や”憎悪”、”残酷な面”も、「人間の一部」ではないかとずっと疑問でした。
その辺は三原が語ってくれてよかったです。


琢磨君の結末はびっくりしました。あのシーンを見ながら、

「あれ?誰だこいつ・・・え?木場?・・・違うよなあ、まさか草加か?草加ふっかーつ・・・なワケないか・・・誰?え?え?・・・!!!

メガネぇぇええ!」

と、頭の中で叫んでいました。(笑

Posted by: クウガ好き : 2004年01月19日 13:41

直也はよかったですね。
ご指摘の照夫が消えるシーンなど、本当に良かった。
彼は結花が死んだことは知ったのでしょうか。

オルフェノクも人間も結局は変わりはなく、個々が持つ心の問題なのだと。
そういうことでしょう。

琢磨は…BBSに書いていた通りの展開でびっくりです(笑)。
http://max048.com/cb/c_board.cgi?v=4

Posted by: MAX : 2004年01月19日 14:08
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