いうまでもなく、あの「怪獣使いと少年」の後日談。いや、うまい。これは。なかなか泣かせる、感動させる一編です。特に「怪獣使いと少年」を見ていなくても、話はわかるようになっているしね。
メイツ星人というのも、意地の悪いネーミングだわな、友達ってのも。かつて地球人の無知と臆病さがひきおこした不幸な出来事。これを今も引きずるものがいる。その事実だけを心に刻み、憎しみだけが増大する。そのような哀しい関係しか築くことは出来ないのか。
これは、今の世界各国の状況になぞらえてみることができるか。日本とアジア諸国とか。過去の不幸な出来事に端を発する、哀しい関係。これは本当に哀しい。
このエピソードでは、メイツ星人と地球人は、お互いの理解に向けての第一歩を踏み出すところで終わる。その関係に、メビウスは介入できない。メビウスはメイツ星人の憎悪の象徴である怪獣、ゾアムルチを倒すことは出来るが、メイツ星人との関係を築いていくのは、地球人に課せられた使命なのである。
「怪獣使いと少年」の、あの絶望的な終わり方を、この「怪獣使いの遺産」で希望を感じさせるものに変えたという点、前向きな心を育むエピソードであったと思う。好篇と言えるだろう。