ま、原作とは別モンと割り切って観た方が楽しめます。小説のエッセンスであるバラバラ死体、箱屋敷、マッドサイエンティストと行った要素を抜き出して再構築した、という印象を受けましたね。雰囲気で観せるというか。その分ストーリーはより簡素化されて、とっつきやすくなっている…かな?まだまだ十分にわかりにくいか。
しかし、簡素化されているとはいえ、ちょっとMAX的には許し難い改変がいくつか。頼子と加菜子の関係がすっぱりと省かれていたり、久保の犯行の発端となる部分が変わっていたり。というか、久保が美馬坂の手下になってるし。そして、ラストのアレが、違うんだよね…。
とはいえ前述した様に別モンとしてみればいいのかなと。原作は京極堂シリーズの中でもホラーSF色が強い作品なので、そういったジャンルのフィルムとして捉えれば、ね。
キャストはほぼ前作と同じながら、桔平ちゃんの関口はちょっと立派すぎるぜ(笑)。クドカンはかなりいい感じの久保でしたな。それだけに描かれ方がちょいと惜しいような。
なんというか、「原作に忠実な『魍魎の匣』という映画」の、長い予告編を観たような、そんな感じでした。
「魍魎の匣」 07 松竹 監督/脚本:原田眞人 CAST:堤真一、椎名桔平、阿部寛、宮迫博之、田中麗奈、黒木瞳、宮藤官九郎、柄本明
いやー、いいね、いいですね。大戦争なのに、妖怪は戦ってないし。偶然の結果として、セカイは守られるし。英雄たるべき少年は、結局普通のつまらない大人になってしまう。でも、そういうものなんでしょう、この世の中は。それが一番良い結果だったのでしょう。(以降ネタバレあり)
魔人加藤保憲がまたも人間を滅ぼさんと襲いかかる。それを迎え撃つのは、なんと妖怪。のはずなのだが、基本的にあんまり能動的に動かない輩なんですな、妖怪って。だからだらだらと物事が決まらないし。仲間が大変な目にあっていることを知りながらも、会議は「お開き」になっちゃうしね。その代わり、お祭りは大好きで。ヨモツモノが新宿を襲う様子がなぜか、祭りと勘違いされて伝わり日本中の妖怪が集まってしまうと。まぁ、ホントに成り行きです。そして、最後の最後に、本当に加藤を倒すのが一粒の小豆。小豆は体にいいからなぁ…。
まさに妖怪のお祭り騒ぎで。豪華なキャスティングにニヤリとし。わらわらと出てくる妖怪たちを楽しんで。タダシの戦いにハラハラし。加藤の恐ろしさに震え。そして、大団円で笑う。戦さは腹が減るからいけません。水木御大の言葉は、やはり染みるねぇ。大戦争というタイトルがついている、反戦映画です。
神木くんは相変わらずうまいですなぁ。アギトの頃に比べると、ずいぶん大きくなりました。また近藤正臣、阿部サダヲ、高橋真唯はもちろん、忌野清志郎、竹中直人などなど、妖怪陣がもう楽しい。岡本隆史はキーパーソンでした。栗山千明も妖しい魅力。豊川悦司はノリノリだし。宮迫も泣かせるし。菅原文太は最高。こういったいろんなツボをごっちゃごちゃに詰め合わせながら、ハラハラどきどき、で、ホロリ、そして…という料理のできる三池監督はさすがだなァ。
さて、タダシがついたはじめての真っ白な嘘。この時からおそらくタダシは見えないものを見ることが出来なくなってしまったんでしょう。これが大人になる第一歩。大事ものを捨てていかなければいけないのだね、人が成長していくためには。なんだかやるせないキモチにさせられます。スネコスリの泣き声が悲しいですな。
MAX的にはフェイバリットムービーの1本となりました。
05 松竹 監督:三池崇史 プロデュースチーム「怪」:水木しげる・荒俣宏・京極夏彦・宮部みゆき 出演:神木隆之介、宮迫博之、近藤正臣、阿部サダヲ、高橋真唯、栗山千明、菅原文太、豊川悦司
京極夏彦も大好き、実相寺昭雄も大好きなMAX的には、このコンビネーションには喜んだわけです、発表当時。でもね、実相寺さんの場合、アタリハズレがあるからなぁ…京極作品、特にこの「姑獲鳥の夏」は映像化は難しいしなぁ…。いかなるものか?というわけで期待半分、不安半分で観てまいりました。
で、ですね、やはり実相寺テイスト出まくりでしたなぁ。もうどこを切っても実相寺、みたいな。これ、ワタシは大好きなんですよ。いい感じです。セットも原作の雰囲気を非常によく出していました。さすがは池谷さんです。もう眩暈坂しかり、京極堂しかり、久遠寺医院しかり。さすがです。ラストの久遠寺医院炎上は、「怪奇大作戦」の「呪いの壷」を思い出させます。
キャストは、これはもうどれを取っても賛否両論ありましょう。敢えて触れないほうが良いかなぁ。個人的には和寅がツボに嵌まりましたです。素晴らしいキャスティング。と、謎の傷痍軍人=水木某氏役の京極先生、楽しそうでした。
まぁ、これは決して大ヒットする映画ではないでしょう。また原作が好きで観に行った人全てが、諸手を挙げて歓迎する作品でもないでしょう。また、原作を知らずにいきなり観に行って、皆が楽しめる作品でもないでしょう。でも、完璧な作品でないからこそ、自分だけのお気に入りになる作品ってあるじゃないですか。それがこの、「姑獲鳥の夏」かな、と。
さて、次作「魍魎の匣」はあるのか。
「姑獲鳥の夏」 05 松竹 監督:実相寺昭雄 CAST:堤真一、阿部寛、宮迫博之、原田知世、いしだあゆみ
これ、おそらくウルトラ映画史上最高傑作といっても良いでしょう。
素晴らしい映画です。
特に30代から40代のウルトラ世代で、子供を持つ父親は見てほしいなぁ。
戦うことの意味、それは誰かを護ることなのだけれど、そのことをストレートに表現するために敢えて主人公が家庭を持つ父親にしたというところがポイントである。
別所哲也はその、普通の人間であり父親をうまく演じていますな。そして、人間以外の物になってしまった者の恐怖を。
従って、主人公に感情移入しやすく、またドラマに深みを持たせることに成功している。いわゆる子供向け映画ではなく一般向け映画として充分に成り立っている。
もちろん、怪獣と銀色の巨人の戦いという部分もおろそかにはされていない。しかし、敢えて様々な過去のフォーマットを完全に無視して、迫力のあるシーンを描ききっているのだ。特に板野サーカスによって描かれた空中シーン、初めて空を飛んだときの真木のとまどいから、ジェットパイロットとしての感覚で自在に大空を駆けるまでのシークエンスが素晴らしい。
また、自衛隊のF15Jとの連携プレイ、コクピットからのザ・ネクストとのアイコンタクトはネクサスにも通じる部分である。
そう、このULTRAMANはネクサスの前日談である。ザ・ネクストはネクサスがはじめて地球に現れた姿であり、真木が第一のデュナミストということらしい。おそらく来年公開のULTRAMAN2で、ネクサスとの橋渡しが描かれることになるのだろう。
彼がどこに行ったのか、そもその青い光と赤い光とはなんだったのか、全く映画では触れられなかったわけだし。
バットマンやスパイダーマンがハリウッドでリボーンしたように、ウルトラマンはULTRAMANとして生まれ変わった。この話は来年のULTRAMAN2を経て、ネクサスへと語り継がれていくのだ。
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「ULTRAMAN」 04松竹 監督:小中和哉 CAST:別所哲也、遠山景織子、大澄賢也、裕木奈江 他
コスモスの映画も3作目。オリジナルで3本も映画が作られるなんて、コスモスもホントに優遇されてるよなー。しいて言えば、まぁセブンも新作は作られてるけど、あちらは低予算なオリジナルビデオだし。
さて、今回の売りは前作コスモス2でデビューしたウルトラマンジャスティスが人類の敵としてやってくると。なんというか、ウルトラマンアグルみたいな感じですかね。まぁ、アグルの場合は根源的破滅招来体に騙されていたのだけれど。
今回は宇宙の絶対なる正義みたいのがあって、それがウルトラマンの上にいてさ、で、地球人類は宇宙全体にとって脅威になると。だから今のうちに芽を摘んでしまえと。そういう話ですな。で、その宇宙正義の下で動いているウルトラマンは何人くらいいるんだろうねぇ。コスモスとジャスティス以外にもいるんだろうか。新・ウルトラの星みたいなものもあるのかなと。
しかしね、なんか調査が杜撰というか。まぁ、人間体ジュリとなったジャスティスが地球で過ごすうちに、だんだんと人間の良さがわかってくるんだけど、それも35時間とか短いし。たまたまからまれた暴走族みたいのみて、やはり人間はダメとか言ったりさ。人類が宇宙の脅威となるまではまだまだ時間があるんだろうから、何年も掛けてちゃんと調査すりゃいいのにって思ったのはMAXだけ?
で、誰も全く歯が立たない最終兵器を破壊すべく頑張るコスモスとジャスティス。コスモス=ムサシの復活シーンはなかなか良かったですな。でも、蘇ったコスモスも力及ばず。そこで登場は30人目の新ウルトラマン、レジェンド。コスモスとジャスティスの合体した姿なのね、レジェンドって。伝説のウルトラマンって、どこに伝わる伝説なのかよくわからないけれど、とにかく強いわけです。二人のウルトラマンが最後まで頑張ったときにはじめて現れる戦士。まぁ、こういう設定のウルトラマンもアリなのかな。出自は依然として謎ですが。コスモスも、ジャスティスも。
ま、これで本当にコスモスは終わりと。それにしてはちょいと食い足りんかったなぁ…。長く続いたシリーズだけに、ちょっと寂しくもあるけど。また新シリーズに期待しましょう。
あ、同時上映の『新世紀2003ウルトラマン伝説 THE KING'S JUBILEE』についてはノーコメントということで。
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「ウルトラマンコスモスVSウルトラマンジャスティス THE FINAL BATTLE」 03 松竹 監督・特技監督:北浦嗣巳 脚本:長谷川圭一、川上英幸 CAST:杉浦太陽、吹石一恵、市瀬秀和 他
いやー、やっと見られた…。
これは、テレビシリーズのコスモスの後日談として語られるハナシ。ムサシは既にチームEYESを辞めてアストロノーツになってるわけだ。というわけで、今回はチームSEAは活動の中心となるのね。
で、今回地球を襲うのは、大宇宙の破壊者サンドロス。まずは怪獣兵器スコーピスを尖兵にして様子見というなかなかの巧者。これと対峙するのが、ギャシー星人たちである。
自分の故郷の星をサンドロスに破壊されたギャシー星人は、密かにサイパンにブルーエリアという結界みたいなとこを作って、生命誕生の研究をしてると。いやー、そうですか、こんな広い場所が海底にあると。つうか、ギャシー星人が来た時にSRC気付けよって気もしますが。で、このリーダーのシャウ、そして少女のジーンがムサシたちと心通わせて、ともに地球を守るのですわ。なんといっても、そこにはコスモスはいないからね。自分達でサンドロスの侵略を止めないと。EYESとかも来てくれるんだけど、いかにもゲスト出演ってのが寂しいねぇ…。それと、カメオ出演の皆さんもちょっと浮いてるかも…。
で、ムサシの最大のピンチにはコスモスは帰ってきてくれるのだよ。まー、ご都合主義な気もしますが、それ言っちゃうとダメか。
再び地球の大地にコスモスが降り立ち、怪獣との死闘を繰り広げる。だが、さすがのコスモスも大苦戦。その時、新たな光の戦士が、ウルトラマンジャスティス登場。ジャスティスはウルトラセブンの21世紀バージョンって感じ。セブン21、そしてアグルと続いたセブンテイストの光の戦士の最新版ですな。いや、動いているところを見ると、なかなかカッコいいぞ。しかし、その素性は全て謎。コスモスと、元々知り合いなのかどうかも、画面では描写がないからよくわからん。ま、ここであんまり説明しちゃうと、次に繋げにくくなっちゃうからねぇ、今年の夏の映画に…。ま、でも新ウルトラマンが次々に出てくるのはいいことと捉えておきましょう。
さて、この映画、サイパンロケをしましたーって感じですね、いかにも。なんつうか、それがサイパンである必然性があんまり感じられなくて…。そのロケがまずありきな印象ですわ。それが残念。それとギャシー星人のメイクとコスチューム、もうちょっと何とかしようや…。こういう宇宙人のセンスって円谷作品ではむかしからずーーーーーっと変わってないんだよな。スタトレとか見て、いかにもありそうなエイリアンを作って欲しいぞ、次の映画とか秋のTVシリーズでも。
まぁ、そんなわけで、MAX的には今一歩でございました。例の騒動がなかったら、興行的には厳しかったかもしれんね…。
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「劇場版ウルトラマンコスモス2 ブループラネット」 02 松竹 監督:北浦嗣巳 CAST:杉浦太陽、斎藤麻衣、西村美保、松尾政壽、風見しんご 他