仮面ライダー剣(ブレイド) MISSING ACE

いやっ、これはおもしろいっ。TVシリーズのほうもだんだんとヒートアップしているんだけど、その熱気をさらにグレードアップして、フィルムに焼き付けたというインプレッションです。
MAX個人の評点では、平成ライダー映画の中では最高の出来でしょう。
さて、映画冒頭からすぐに画面に釘付けですよ。これって、TVシリーズの最終回でしょう。そうか、やはりTVはこうやって終わるのか。


ジョーカーとブレイドの戦い。TVではまだ出てこないジョーカーの本当の姿が、劇場版ではもう惜しげもなく披露。で、やっぱりブレイドがその戦いに勝利して始は封印されてしまう。これが最後のアンデッド。となるはずだったのが…。
もー、烏丸は殺されるは、ジョーカーはもうひとりいるは、アンデッドの多くは封印を解かれちゃうはで、彼らの戦いってナンだったのかってことに。しかもスパイダーとビートルも封印を解かれちゃってるんで、剣崎と睦月は無力。
ま、そんなこと知らずにいた彼らは4年の間に変わってるわけです、すっかり。虎太郎や栞の変わりようは、コミカルに描かれていて楽しい。変わっていないのは剣崎だけか、職業はライダーから清掃員へと大きく変わったが、その本質は全く変わっていない。
彼らの前に現れるのが封印したはずのアンデッド、そしてそれを倒して行く見たことのない仮面ライダー。旧ライダーと、橘が作りだした新ライダーの対立が、生まれちゃうわけですな。
さて謎となるのが、キングのカードが4枚揃ったときに現れるというカード。そしてそれを鍵としてもたらされるという強大な力。もうひとりのジョーカーが狙うものが、その力。ま、このあたりの新設定は後付けという気がしなくもないが、それでも既存の設定と矛盾するところはないから。ジョーカーがふたりいるというのは、まぁ確かにトランプのセットにはジョーカーが2枚入ってることが多いよな、なんて思ったりするわけです。
さて今回の劇場版のキーパーソンは天音ちゃん。あの可愛らしかった天音ちゃんも、微妙なお年頃。それも4年前に突如姿を消した始を思う心がなすもの。剣崎はそのことを知り、始を封印したことで、天音に対して責任を感じる。そして、彼女を見守る、いかにも彼らしく。
さてさて、新ライダーのランスとラルク(三津谷葉子がいい!)が意外とあっさりと殺されてしまい、キングのカードはジョーカーであるグレイブの手に渡る。グレイブはなぜ人間の姿になれたのかがちょっと謎。始はハートの2のカードで変身するのだが、白のジョーカーには上級アンデッドとおなじ力があるのか。それとも始にも実は変身能力があるのか。橘も志村をライダーにスカウトするときに、調べなかったのかなぁちゃんと。
太古の力を呼び覚ますには、力が封印されている遺跡の扉を開けた者の生命が必要。ここで、天音が繋がるわけだ。彼女の父親がその扉を開き、彼が死んだ今その役割は娘である天音ちゃんに受け継がれる。白いジョーカーは天音ちゃんを狙う。しかし、その天音ちゃんを護るのは、封印を解かれたカリスである。カリス=始は出番が少ないながらも、かなりおいしいところをもって行くねぇ。
天音を奪いついに太古の力を手に入れたジョーカー。ブレイド、カリス、ギャレン、レンゲルは巨大なモンスター「14」の前に全く歯が立たない。第一、でかいし。
しかし、始はカードに封印されている天音と剣崎が入れ替わり、その後剣崎の命を断つことで、「14」の力を弱められるという。躊躇なくその身体を捧げんとする剣崎。しかし、まさに天音と剣崎の身体が入れ替わらんとした瞬間、剣崎に変わって始がカードに封印される。始は最初からこの瞬間を待っていたのだろう。最初から自分が犠牲になることを決めていたのだ。
力は全て封印された。天音ちゃんにも笑顔が戻った。結局、彼女は復活した始には逢うことは出来なかったが、しかし、その存在を近くに感じていたのだ。
この物語はジョーカーの悲しい運命を描いたものだといえる。人間の心を持ってしまったジョーカーの。そして、そのジョーカーに恋心を抱いてしまった少女と、心とは裏腹にジョーカーを封印しなければならない運命を負った青年の物語とも言える。
窓の外で笑う始の笑顔。それは幻だったけれど、笑顔はいつまでも天音の心にありつづける。それは人間になりたくて、人間を護るために死んでいった悲しいジョーカーの笑顔だ。
「仮面ライダー剣(ブレイド) MISSING ACE」 04 東映 監督:石田秀範 脚本:井上敏樹 CAST:椿 隆之、森本亮治、黒田勇樹、三津谷葉子、杉浦太雄、天野浩成、北条隆博、江川有未、竹財輝之助、石田未来、梶原ひかり 他